作品賞

2020年代

受賞作、動画
2020 消失的情人節

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作品賞

2010年代

受賞作、動画
2019 ひとつの太陽

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2018 象は静かに座っている

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闇に溶けては、また浮かび上がる顔たち。中国北部の町で、圧倒的な絶望とそれでも捨てきれない希望の間をさまよう4人の登場人物が織りなす、ある1日の物語。

上映時間は4時間近いが、片時も目が離せなくなる。何げない一瞬の光景、一つ一つの言葉が心に刺さってくる。痛い。でもそれだけではない。

監督・脚本・編集は、中国のフー・ボー(胡波)。1988年生まれ。本作完成後、29歳で自らの命を絶った若き才能による最初で最後の長編。そして強烈な引力を持つ傑作だ。

男前だがどうやらかたぎではないチェン(チャン・ユー)はその日、親友の妻の横で目覚める。不意に帰宅した親友は2人の関係を知り、窓から飛び降りて死ぬ。

高校生の少年ブー(ポン・ユーチャン)は父親と折り合いが悪い。登校した彼を待っていたのはトラブル。友人をかばって不良グループのリーダーと口論になり、過って階段から突き落としてしまう。その少年はチェンの弟。逃げなければ、復讐(ふくしゅう)される。

ブーの同級生で教師と関係を持つ少女リン(ワン・ユーウェン)、同じ町に住む老人ジン(リー・ツォンシー)。この2人にもまた、思いがけない事態が起きる。

孤独な4人はそれぞれ、身の置き場も心のよりどころも失って、にび色の風景の中をさまよい始める。身の回りの現実は、残酷で、どう猛で、利己的で、うそだらけ。

人生なんてそんなもの。どこへ行っても変わらない。周囲の人間が吐く絶望的な言葉が、淡い日の光が作る影が、隙あらば4人を包む。そのまま闇に沈んでいくかと思いきや、ふと浮かび上がる。その繰り返し。カメラは滑らかに動き、光と影、息も絶え絶えの希望と、絶望の誘惑の間でたゆたう4人について回る。研ぎ澄まされた映像表現と、登場人物の心象は完璧に溶け合って本作に力をもたらす。

いつしか4人の物語はつながって遠く離れた国境の都市・満州里の動物園にいるという「一日中、座っている象」が共通のよすがになる。それはたぶん人生の可能性の象徴。それが本当に存在するのか、見てみたいと彼らは願う。そして最後に訪れる。心揺さぶる素晴らしい瞬間が。

この監督が撮る映画がもっと見たかったと思う。その死の2週間前、彼は、師と仰ぐタル・ベーラ監督と新作について語り合っていたという。3時間54分。渋谷・シアター・イメージフォーラム。(今矢宗佑)
2017 血観音

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最優秀作品賞など3冠に輝いた。

女系家族の長である祖母のタン(カラ・ワイ)の表の顔は古物商だが、裏の顔は台湾政財界のフィクサー。土地売買に絡む汚職に手を染めていた。孫(ヴィッキー・チェン)をかわいがる一方、娘に冷たく、家族内に亀裂が入り始める。

1990年代の台湾が舞台。華やかな女系家族を描きながら、実際の台湾の汚職事件をベースに政治の暗部に斬り込んだ社会派クライム・サスペンス。台湾で大ヒットした。

「映画でどこまで現実の汚職事件に迫ることができるのか。プロデューサーとは衝突し、何度も脚本を書き直しました」とヤン・ヤーチェ監督。

テーマは重厚だが社会性とエンターテインメント性を両立。上流社会の華やかな生活を描きながら、政財界の裏社会の実態を浮き彫りにしていく。

金馬奨映画祭では祖母役のカラが主演女優賞、孫役のヴィッキーが助演女優賞を受賞。「スター女優の熱演が社会派作品に彩りを添えてくれた」とヤン監督。一方で、「女優ばかりの撮影現場をコントロールするのは大変でした。そんなとき、ベテランのカラが現場を仕切ってくれ、助かりました」と苦笑した。

ヤン監督は、テレビのドキュメンタリーなどを手掛け、頭角を現した。日本映画に造詣が深く、同じドキュメンタリー出身の是枝裕和監督の作品にひかれるという。
2016 八月

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2015 黒衣の刺客(こくいのしきゃく)

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台湾の名匠、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督による8年ぶりの新作。中国の唐の時代を舞台に描く時代劇。描かれるのは、数奇な運命を生きるすご腕の女刺客インニャン(スー・チー)の愛と孤独。アクションやせりふを絞りこみ、リー・ピンビン撮影による圧倒的な映像をもって人の世を深く語る傑出した秀作。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。1時間48分。

【物語】9世紀初頭。主人公は、道を極めた女道士のもとで、少女時代から13年間、修行を積んできた若き娘・隠娘(インニャン)。 彼女は暗殺者に仕立てられ、道士の密命を受けて、実家に戻って来る。 故郷の有力支配者の季安(ジィアン)(チャン・チェン)を暗殺せよという命令だった。

暗殺のターゲットとなる男・季安は、民を苦しませる暴君だった。しかし、彼は、実はかつて隠娘の許婚(いいなずけ)だった。つまり、二人はかつて権力争いに巻き込まれ、仲を引き裂かれた婚約者同士だったのだ。

今は敵だが、命を奪うのはためらわれる。ある日、叔父が季安の怒りを買い左遷され、隠娘は辺境へ向かう一行をひそかに警護する。だが、敵対勢力に襲われ、通り掛かった遣唐使の青年(妻夫木聡)に救われる。

【画面の超絶的な美しさ】 ホウ監督は1989年、「悲情城市」でベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得。その後も名作を生みだし続けた。「黒衣の刺客」はホウ監督の初の武侠(ぶきょう)もの。ひとつひとつの画面の超絶的な美しさが高く評価された。ホウ監督はこの作品でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。

本作は、監督がかつて愛読した伝奇小説から着想したという。 とはいえアクションもせりふも少なめで、人物の設定もほとんど説明されない。引いた画面で、美しい自然の中にある人間の営みが描かれる。
2014 ブラインド・マッサージ

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中国のロウ・イエ監督の最新作。南京のマッサージ院で働く視覚障害者たちの等身大の生活を描き、2014年のベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)ほか受賞多数。

大勢の視覚障害者とともにマッサージ師として働くシャオマー(ホアン・シュエン)。幼いころ交通事故で視覚を失い「いつか回復する」との医師の診断を信じ、その日を待っていた。院長のシャー(チン・ハオ)、美しいドゥ(メイ・ティン)ら周囲の人々もそれぞれ悩みを抱えている。ある日、シャオマーは風俗嬢マン(ホアン・ルー)と出会う。

作家で南京大学教授ビー・フェイユイ氏の同名小説が原作。健常とされる人々の常識を問う場面も。1時間55分。
2013 イロイロ ぬくもりの記憶

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2012 神探亨特張

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2011 セデック・バレ

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2010 愛が訪れる時

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2000年代

受賞作、動画
2009 あなたなしでは生きていけない

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2008 ウォーロード/男たちの誓い

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2007 ラスト、コーション

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2006 父子

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2005 カンフーハッスル

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2004 ココシリ

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2003 インファナル・アフェア

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2002 きらめきの季節 美麗時光
2001 ドリアン ドリアン

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2000 グリーン・デスティニー

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